MidjourneyとStable Diffusionに同じお題でイラストを描かせるとどうなるのか?
最近なにかと話題のAIによる画像生成
その中でも有名なのが『Midjourney(ミッドジャーニー)』と『Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)』です。
現在ではAIを使っての作品などが脚光を浴びだしている中、
- 一体どっちのAIが優秀なのか?
- それぞれのAIには画風は存在するのか?
- 利用しやすいのはどちらか?
気になりますよね。
今回はそれらを検証するべく両AIに同じお題でイラストを描かせてみました。
上手なイラスト生成方法ではなく、あくまで純粋に同じ条件で描かせた場合の違いに関して比較していきます。
※入れるワード、所謂呪文はすべて英語で行っています
お題:『黒い戦闘機』black fighter
いかがでしょうか?Midjourneyのほうは得意の油絵調で、雲海を飛行する巨大な黒い母艦の群体という雰囲気で映画のコンセプトアートみたいですね。
対してStable Diffusionに関しては、やや写実的に田舎上空を飛行する黒いステルス戦闘機という雰囲気です。
見てわかる通り既存の戦闘機を踏襲したフォルムとなっているので、リアリティはありますが逆にその影響でAI絵画特有のアンバランスなパーツ類が目立ってしまっています。
ぱっと見はそこそこカッコいいですが、スラスターなどの部分がないなど下手に写実的な画風なので粗が目立ってしまっている。
80年代から90年代初期のプラモデルのパッケージのようなレトロが雰囲気ですね。
比べるとStable Diffusionのほうが、若干固定概念に囚われているように感じる。
お題:『水没都市』Submergedcity
今度は『水没都市』で生成してみました。
お題的に壮大で美しいものを期待していましたが、双方なかなか個性が出ています。
Midjourneyに関してはかなり精密な画風で、宮殿や寺院、聖堂を思わせる巨大な構造物が水の中に沈んだような絵が出来上がりました。
しかしなぜか地面には反射と木々が生い茂り、水中と地上が混在したおかしな構図になっている。
これはこれで幻想的で美しいですが、AI丸出し感は否めないですね。
水没関連で何度か実験はしてみましたが、どうも沈んでいるという表現がMidjourneyにはなかなか難しいのかもしれません。
対してStable Diffusionはいつもの写実的な描写から一転、絵画チックなものを生成してきました。
こちらは『水没』を『都市が半分水に浸かっている』いう表現としたのか、うまくまとまっています。
建物の雰囲気はH・R・ギーガーを彷彿とさせる有機的な作りで、後方に並ぶ霧に包まれた都市と全体の夕焼けのような光源がなんとも美しい。
水面を走る船が物語性を感じさせる動きのある絵に仕上がっています。
Midjourneyのほうが簡単にハイクオリティなものを生成しますが、Stable Diffusionの頑張ってる感もいい味がありますね。

MidjourneyとStable Diffusionの画風の違い
同じAI画像生成ですが、何度が試してそれぞれ以下のような特徴が見えてきました。
Midjourney
- ある程度の簡単な呪文でもクオリティ高い生成を行う
- 精密な絵画のような画風
- 良くも悪くもMidjourneyっぽさが出てしまう
ざっくり言えば、自分の画風が確立されていて、少しの指示で芸術的な表現をやってしまう天才肌。

Stable Diffusion
- 呪文をうまく選定しないとなかなかクオリティ高い絵が出せない
- 絵よりも写真ベースの表現を得意としている
- 良くも悪くも固定概念を持っている
- 呪文の組み合わせで予想もできない生成をするので作っている感がある
うまく指示してもらわないと作れないが、色々な画風と表現力がある努力家。
それぞれの画風の特徴まとめ
いかがでしょうか?
これだけでは正直わからないような感じかと思いますが、Midjourneyのほうが簡単に素晴らしい絵を作る反面、テイストが似たり寄ったりになるので、自分で少しでも試行錯誤したい人はStable Diffusionを試してみることをオススメします。
尚、それぞれのサービスで商用利用に関する規約は違いますので個人で利用する場合は、よく調べて利用するようにしましょう。
ではでは

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