原作者は太鼓判だが正直現代版アレンジと演出・作画に問題があると思う
Netflixのスプリガン
さっき確認したら本当に配信されていました、感動です!
自分も原作者特権でもう何回も観ていますが何度観ても素晴らしい出来だと思います
皆さんにも楽しんでいただけたら幸いです! pic.twitter.com/bF9b8BL5sl— 皆川亮二 (@minagawa_ryouji) June 18, 2022
30年も昔の名作スプリガンがNetflixで新たにアニメ化して、原作者及び新規・古参ファンから賞賛の声が上がっています
個人的にも好きな作品に再び火が付き、多数の人に知ってもらえるのは大変喜ばしいですが、実際現状の全話を視聴して思う部分があったので感想を書きたいと思います
結論から言うと個人的にはあまり面白くなかった
多数のファンや原作者・その仲間の漫画家界隈から絶賛されているので、真逆のことを言うのは心苦しいですが気になったポイントをいくつか紹介します
現代版アレンジがうまく融合できていない(気がする)
今作ではスマートフォンやドローンが登場するなどかなり現代に寄せたアレンジがされている
そのため恒例の学校の固定電話でアーカムと御神苗が連絡する描写がスマートフォンに置き換わっている
もともとが80年代後期からのミリタリー作品であるため、原作通りにやるとかなり古臭くおかしな内容になるのはなんとなくわかる・・・
しかし原作ではその泥臭い感じがなんとも男臭くてかっこよかったので、個人的にはしっかり時代背景を説明した上で、原作通りにしてほしかった
主人公の御神苗優も原作ではどちらかというとランボーみたいな戦い方だったのが、構えなども含めてメタルギアのCQCのような洗礼されたものになっている
また重火器もテロリストが使うようなAKなどではなく、強化プラスチックボディの特殊部隊が使うようなアタッチメントモリモリの銃が登場している
『帰らずの森』で御神苗が染井芳乃に渡す銃も『H&K XM8』のような、かなり見栄えのするものに置き換えられている
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これでは原作にあったインディ・ジョーンズ感があまり感じらないのではないか
言い出せばキリがないのだが、現代版にすることで全体の絵面は華やかになったがオーパーツの畏怖感や敵サイボーグの凄みがマイルドになってしまっている
現代にアレンジすることで全部が目立ち、どれも若干現実味を帯びてしまい潰し合っているように感じる
演出面やリアクション等々に古臭さを感じるという意見が多いが、全体を構成する超常現象の恐怖感が弱まってしまったことが一番気になりました
個人的には今作のSFアクション感強めの作風より原作のオカルト感があるほうが好みです
改変されたデザインが一部好きになれない
AM(アーマド・マッスル)スーツのデザイン
これは旧劇場版の時も気になった点です
スプリガンと言えば『AM(アーマド・マッスル)スーツ』なのだがそのため妙に気合を入れてアレンジする傾向にある
原作では通常時は要所にパッドは付いているが、基本はレザージャケットのような形状で腕まくりをしたり、胸元を開けることができた
そのため戦闘地域外で着込んでいてもそれほど違和感がなく、スーツというより服に近い感じ
戦闘時は上半身は筋肉の隆起のように形状が著しく変化するが、ズボンはそのままなのであくまで筋肉部分は筋力の増強で、スーツの繊維自体に衝撃吸収の特性があることがわかる
しかしNetflix版ではかなり改変がされており、より筋肉に近いデザインとなっている
戦闘時は原作同様筋肉の著しい隆起と筋組織にあたる部分が、ネオン調に発光するためガンダムのサイコフレームを彷彿とさせる
逆に下半身はダイビングスーツのようなピタッとのっぺりした印象・・・
AMスーツは今作の目玉みたな扱いになっているが、正直悪目立ちしすぎているのでオーパーツの存在を食ってしまっている
御神苗のオリハルコン製ナイフ
こちらは逆に地味になったというか、現実感ある改変がされている
原作では短剣並みの刀身にグリップ部分に強化プラスチックのようなナックルガードが装着されていた
むしろナックルガードというよりは殴ることに特化させたような手甲に刃がついているような印象
その形状故に原作ではかなり目立っており、ナイフというよりは専用の剣みたいな使いで活躍
Netflix版では特徴的なナックルガードはかなり小さくなっている
文字通りオリハルコンでのナックルガードになっており
これだと作中屈指の硬度である理由もなんとなく納得
AMスーツが目立つ分、ナイフが地味になっているのはなかなかいいと思う
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思った以上に作画が荒い
今作は要所に気合が入った部分があるが総じて作画は良くないと思う
さらには見せ場であるAMスーツでの戦闘シーンではCGを利用しているため、作画がどうとかいうレベルの話ではないのだ
個人的にこのCGでの作画は好きではない
CGなので確かに複雑な動きや作画の安定はされるが、独特のフィギュアのコマ送りみたいな動きに違和感を感じてしまう
このCGを多用する風潮はどうにかならないものか・・・
シーズン1の各話辛口レビュー
1. 炎蛇
原作のエピソード0と1を大急ぎでまとめたため全体的に急ぎ気味
AMスーツのアピールが多めに入っているため肝心のストーリーや適役が目立っていない
原作では80年代サラリーマン風なのに特殊な術を使う『諸刃功一』が爪のついた手袋を付けた暗殺者風の見た目になっていたのが残念なところ・・・
皆川亮二の作品と言えば普通っぽい人のほうが強い法則があったので、あの雰囲気は残してほしかった
最終話にも絡んでくる話だけに他よりも時間多めでいいので劇場版レベルで仕上げてほしかったところ
2. ノアの方舟
まさかの2話目でノアの方舟!?
これは旧劇場版で作られていただけに大半の人が比べて見てしまうだろう
感想は言わずもがな旧劇場版が偉大過ぎた・・・
もちろん旧劇場版も当時賛否両論あったかと思うが、相手が悪すぎる
特にNetflix版のファットマンはやたらデザインの改変が入っている
雪原なので目立ちやすい黄色だったのかもしれないが、見た目がかなり異形で派手になっている
旧劇場版は設定が変わってはいるが原作に近い見た目だっただけにかなり驚いてしまった
リトルボーイは相変わらずでしたね
マクドガル大佐に関しては今回は子供の声優を起用していないので自然な感じでしたが、やはりあの狂気を表現するには下手な子供でもよかったと個人的には思っている
あと昨今の風潮的にさすがにナイフで子供は刺さないんだな・・・と感じた
旧劇場版のことばかりになりましたが、それくらい素晴らしい出来なので是非1度は見てほしいですね・・・かっこよすぎる
3. 帰らずの森
今作で一番面白かったエピソード
映像であの絶望の状況がうまく表現できていたし、一番オカルトしていた
原作ではかなりのホラーテイストで冒頭の印象がかなり強かった記憶がある
この話の伏線的にソーマのエピソードが次回絶対入りますね
4. 狂戦士
原作版もそんなに面白くなかったのですが
まぁ・・案の定そんなに面白くなかった
CGでバーサーカーをやりたかったんだろうなって感じです
5. 水晶髑髏
ボー・ブランシェの紹介エピソードみたいなものでストーリーはおまけ感がある
というのも恐らく大人の事情で『ネオ・ナチス』の話はシーズン2以降もやらないと思うので次にボー・ブランシェが出演するのは組織を抜けた後のことだろう
ナチス・オカルト・オーパーツはいい組み合わせだけに残念です
さすがにヒトラー関連をNetflixでやるのは無理があるのかも・・
6. 忘却王国
こちらも冒険感があって面白かった
染井芳乃が出る回はあたりが多いですね
未知の島にピラミッド、座礁した航空機などワクワクする要素満載なエピソード
あと個人的に好きなボーマン教官もいい味を出していた
さすがに『カーリー像』を直接出してしまうと問題がでるので、それっぽい石像にはなっていたが
シーズン1感想
一番気になったのが『仮面伝説』を省いたこと
原作でもちょっとグダグダな感じではありますが、ここをカットしたことにより同級生が御神苗の正体を知ることもなくなったので以降の話も必然的にされないだろう(修学旅行編など)
またナチス関連や本筋と関係ない話も割愛していくと予測されますので個人的にシーズン2でやるとしたら以下のエピソード!!
【まとめ】原作を読もう!
かなりざっくりですが個人的な感想でした
不満点もありますが総じてよくできていますのでまだ見ていない方は是非Netflixを契約して見てください!
しかしやはり面白いのは原作漫画版です!
今なら復刻BOXも発売しておりますので原作未読の方は是非一度ご確認ください!
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